WWFの「ひと目でわかる環境問題」

第5回 :保護区になれば安心なの?

世界の自然保護区の割合

世界の自然保護区の割合

ゴールではなく、はじめの一歩
いま世界には「保護区」と呼ばれる場所が約10万カ所あります。面積にすると約1,876万平方キロ。インドの国土のほぼ5倍に相当します。しかし、その目的も保護の仕方もさまざまなことから、世界の保護区の現状を包括的に評価するのは困難でした。そこでUNEP(国連環境計画)とIUCN(国際自然保護連合)は、世界のどこにどんな保護区があるのか情報を集め、6つのカテゴリーに分類して整理しました。1962年に初めて作られたこの「国連リスト」は、現在はデータベース化され、ほぼ5年ごとに更新されています。国連リストの整備は、保護された景観や地域に偏りがあるか、保護区の重複、多くの希少種の生息地が保護区から漏れていることなど、数々の問題を浮き彫りにしました。今後、各国が協力し、この状況を改善することが求められています。
また、自然を守る上で保護区の設立は重要ですが、決して最終ゴールではありません。特に途上国では、管理のための資金不足が著しく、保護区として機能していない場所が多くあります。そして、その土地の自然資源に依存している住民の暮らしとの両立の問題もあります。過去には、保護区の設立を優先したために反発を招き、かえって密猟が増加した保護区もありました。地域の人々に受け入れられ、きちんと管理されて初めてその自然が守られるのだということを、皆が理解する必要があるのです。

参考資料:
・“Protected Areas and Biodiversity Report” UNEP-WCMC, CBD, 2004
http://quin.unep-wcmc.org/resources/publications/pa_biodiv/
・“2003 United Nations List of Protected Areas” IUCN,UNEP-WCMC, 2003
http://www.unep.org/pdf/un-list-protected-areas.pdf
・『生態学からみた自然保護地域とその多様性保全』大澤雅彦監修、(財)日本自然保護協会編、講談社サイエンティフィク刊、2008

世界各地で悪化の一途をたどっているといわれる海の自然環境。それにもかかわらず、海洋環境の保全管理は、陸上のそれに比べ、各国で大きく遅れをとっています。海に囲まれその恵みに大きく依存している日本もまた、例外ではありません。WWFでは、海の保全に向けた取り組みの重要性を指摘し、その具体的な手 段をまとめた、冊子『現場の声から学ぶ豊かな海のつくり方入門』を制作しました。
http://www.wwf.or.jp/activities/lib/pdf_marine/genba_umi/index.html

今月のミニ・アクション

3月11日の大震災と東京電力福島第一原発の事故をきっかけに、私たちが将来どんなエネルギーを選ぶべきかという課題を突き付けられています。原発に頼らず、地球温暖化対策にもなる再生可能な自然エネルギーで安心な生活ができる未来に向けて、今、政策の転換が必要です。
WWFジャパンでは、大幅な節電と省エネにより、原子力発電の段階的廃止と自然エネルギー100%の未来を実現するため、日本政府に対し「エネルギー基本計画」を変えることを求める署名を募っています。目標は120万人!ぜひ、皆さまのご協力をお願いします
http://www.wwf.or.jp/change_en/

画像世界の自然を守るWWF
WWFは、約100カ国で活動している地球環境保全団体です。1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来を築くことをめざして、地球上の生物多様性を守ること と、人の暮らしが自然環境や野生生物に与えている負荷を小さくすることを柱に活動を展開しています。ぜひWWFをご支援ください。

WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)
URL http://www.wwf.or.jp/

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