突然のお知らせになりましたが、加藤千恵先生の「くちびるから短歌」は、来月号をもって終了となります。長い間、ご愛読ありがとうございました。



(撮影/五十嵐和博)

1983年北海道生まれ。高校在学中の2001年、歌人・枡野浩一プロデュースで短歌集『ハッピーアイスクリーム』を上梓。以降、短歌以外の表現活動にも取り組む。著作に『ハニービターハニー』『誕生日のできごと』などがある。最新刊は『さよならの余熱』。



加藤千恵短歌連載
「くちびるから短歌」

加藤千恵ブログ
「とぎれた日々の前に立ちどまる」




6月のお題「地名」

どこだって平気と笑っていた彼女 北京でどんな景色を見てるの




5月のお題「嘘」

バイバイって笑ったあとで気づかされた 自分に嘘をついていたこと




4月のお題「スタート」
見えるものも見えないものも受け止めたい深呼吸して背筋を伸ばす



2・3月のお題「卒業」
「またね」っていつもみたいに言ったけど この教室では会えないね もう



1月のお題「電化製品」
台所の ブーンってうなる 冷蔵庫だけが 味方に感じる夜だ



12月のお題「料理」
友達のために焼いてるお菓子だけど いつかは君に届けてみたい



11月のお題「曜日」
水曜と金曜が好き 君に会えるからってことは 誰にも言えない



10月のお題「本」
一瞬でずっと遠くの世界までわたしを連れ去ってくれる一冊



9月のお題「制服」
通り過ぎた日々や思いを確かめるように伸ばした制服のシワ



7・8月のお題「海」
同じように並んでるのにあなたのだけ特別に見える 自転車置場



6月のお題「自転車」
同じように並んでるのにあなたのだけ特別に見える 自転車置場



5月のお題「朝」
光とかほんのわずかな希望とか混ざった朝を受け止めている



4月のお題「黒板」
なんだって書ける黒板を目の前にチョークを持ったまま悩んでる



2月のお題「教室」
もう誰もいない教室は見たことのない場所みたい 寂しくなるね



1月のお題「花」
ラベンダーの香りはしなくなったけど もらった優しさなら残ってる



12月のお題「果物」
食べごろを逃してやわらかくなってしまった桃のような気持ちだ



11月のお題「温度」
体温が上昇してるわけじゃないあなたに恋をしてるってことだ



10月のお題「電話」
電話機を通して届く笑い声心からのものだといいけど



9月のお題「紙」
今ここで何でも始められる予感まぶしいくらい真っ白い紙



7月のお題「海」
海なんて珍しくないはずなのに思わず声をあげてしまった



6月のお題「白」
今ここで起きてることが全部夢で目覚めて消えてしまえばいいのに



5月のお題「街」

街じゅうの綺麗な花を買い占めてみたとしたって晴れない心




4月のお題「白」

新品の洋服みたいなあの人の白い心に嫉妬している





Copyright 1995-2011, smn, Inc. All Rights Reserved.